平成21年度「専門職のための子どもの虐待に関する研修会」
●日 時:平成22年3月6日(土)10:00~16:00
●場 所:札幌学院大学 G館SGUホール(江別市文京台11番地)
参加費:北海道子どもの虐待防止協会会員1,000円/非会員2,000円
学生500円 札幌学院大学関係者無料
参加対象:福祉・医療・保健・教育・司法など、子どもの虐待問題に関わる専門職
およびこれに準ずる方
※参加申し込みが必要です。申込書をご希望の方は事務局までご連絡ください。
●プログラム
<午前の部>
10:00~10:30 開会 主催者挨拶・行政説明
10:30~12:30 講演
「北海道における自立援助ホームの動向と課題」
報告:高橋 一正(自立援助ホームふくろう)
長谷 あゆみ(NPO法人 CAN)
自立援助ホームとは、主に10代後半から20歳前後までの家族の支えが期待できない子ども・若者を対象とした、グループホーム形式の生活の場です。児童養護施設や里親と同じ、社会的養護を担う児童福祉法に定める機関のひとつで、半数の子どもが被虐待経験を持っています。 法的な位置づけを得たのはごく最近で、法外の任意の施設として自主的に開設、運営されていた歴史が長く、子ども・若者が直面している困難の深刻さが高いにも関らず、公的な運営費のみでの運営は難しい現状で、多くのホームが「手弁当」での苦労を強いられています。2009年現在で、全国で約50箇所のホームがあります。北海道では現時点で函館の「ふくろうの家」のみで、この春の開設を準備しているホームが札幌に1箇所あります。
この講演では、「ふくろうの家」の高橋さん、札幌での自立援助ホームの開設準備に当たっておられるNPO法人CANの長谷さんに、子どもの直面する困難とホームでの実践、開設や運営に関る諸問題について、お話を頂きます。公的な制度整備が不十分な中、先進的な取り組みを続けておられるお二人の苦労を分かち合い、またお二人から元気をもらえると思います。
<講師紹介>
高橋一正 氏
児童自立支援施設の寮長として「非行少年」の支援に長く携わったのち、道職員を辞職、2004年から函館の「ふくろうの家」のホーム長となる。熱烈なジャイアンツファン。
長谷あゆみ 氏
北海道子どもの虐待防止協会の設立直後から、約10年にわたって事務局を支えた。2004年から子どもの付き添い・支援活動を行う市民グループCANを設立、代表として活動し、現在自立援助ホームの開設を準備中。
<午後の部>
13:30~16:00 分科会
○第1分科会「入門講座~知っておきたい子どもの虐待の基礎知識~」
講師:澤田 いずみ(札幌医科大学)
司会:小川 裕佳(市立札幌病院静療院)
子ども虐待を防止するためには、専門職に限らず一人ひとりが虐待について理解していることが大切です。この分科会では、虐待防止に関わり始めた方、関わってみたい方、関わっているけど今一度基本的なことを学んでみたい方のための基礎的な講座です。子どもの虐待に関する基礎知識についての講義を中心に、虐待についての理解を深めることをねらいとしています。
○第2分科会「児童虐待と親権のあり方」
報告:内田 信也(北海道合同法律事務所)
コメンテーター:十川 光男(釧路児童相談所長)
法務省と有識者でつくる「児童虐待防止のための親権制度研究会」が、2010年1月に報告書をまとめ、施設長の権限を民法上の親権よりも「優越」させたり、「親権」を一時停止できる制度の必要性を指摘しました。深刻化する児童虐待の現状は、ついに「聖域」だった「親権」の制限を現実化するまでになったのです。2011年の通常国会への法案提出が予定されていますが、それはどのような制度なのか、また、養護施設や児童相談所にとってどのような意味をもつのか、果たしてうまく活用できるのか。「実務の視点」から、親権問題の最前線を議論します。
○第3分科会「保育・教育と子どもの虐待予防・防止」
①「東大阪市の子どもを守るネットづくり―要保護児童対策地域協議会との協同による保育所の支援―」
報告:細木 日出子(前・東大阪市子ども支援課)
畑 千鶴乃(函館短期大学)
司会:明神 もと子(北海道教育大学釧路校)聞けばあっと驚く東大阪市の報告です。厳しい生活条件のなかで生きていく子どもとその家族。これを支えていくのは保育所の大事な役割です。しかし、実際にはあまりに困難が多いことも事実です。昨年の民間保育園でのすばらしい実践報告に続いて、この小分科会では、東大阪ではどのようにして虐待事例をかかえる保育所の実践を支える公的な仕組みが形成されてきたのかを探ります。文字どおりのネットづくりの実践です。
②「あふれるものは何ですか―虚言をくりかえす小学生とかかわって―」
報告:成美 洋子(北海道公立小学校教諭)
司会:間宮 正幸(北海道大学)、瓜屋譲(北海道公立小学校教諭)
「まったく理解に苦しんだ手ごわい子どもでした」と報告者はふりかえります。特徴は口からあふれ出る虚言、つまり嘘なのですが、並たいていの嘘ではありません。盗みもあります。その子どもは4歳ころまで虐待をうけていました。報告者は、4年生からの担任でした。親・家族を励まし支えます。これは現実なのだろうかと思うほどの事例なのですが、成美実践には、被虐待児童の教育と家族支援の基本が織り込まれています。
○第4分科会「介入最前線-児相現場からの報告-」
報告:洞口 健(北海道中央児童相談所)
阿波加 忠純(北海道釧路児童相談所)
伊藤 福得(札幌市児童相談所)
司会:宮地 廸彦(情緒障害児短期治療施設バウムハウス)
家村 昭矩(名寄短期大学)
処遇困難事例(職権一時保護、28条など)の事例報告をもとに、日々子どもの虐待対応を迫られている児相現場の実践交流を図ることと、介入的ケースワーク、関係機関連携など児相を中心とした課題について考えたいと思います。児相関係者の参加を期待しています。
☆参加対象者:児童福祉、司法、教育、医療等に従事している、守秘義務をお守りいただける方。
☆参加人数:おおむね20~30名程度を予定しています。
○第5分科会「道内の死亡事例検証」
報告:河合 健彦(市立札幌病院静療院)
コメンテーター:松浦 秀昭(前・児童相談所長)
司会:品川ひろみ(札幌国際大学)、
今回は、平成21年に生じた、道内での児童死亡事例を取り上げます。一般に事例検討は、事態の詳細や背景の理解を深めることで、今後の臨床に経験を生かすことを目的としています。しかし、今回の事例では「家庭」のなかで実際にどのような事態が生じたのか、検討するための情報が十分ではありません。「事件化」した本事例の詳細は、現在司法の場で解明されつつあります。一方それは「司法的な理解」に限られるともいえるでしょう。本分科会の目的の一つには、限られた情報からではあるものの、本事例における「心のプロセス」の理解に努めることにあります。そのことと並行して、関連機関の動き、とくに現場に関わった方々の対応の困難さ、報道のあり方、当時ないしは「事件」後の関連機関での取り扱いについても経緯を共有し、検討を行い、学びたいと考えます。
☆参加対象者:児童福祉、司法、教育、医療等に従事している、守秘義務をお守りいただける方。
☆人数制限は昨年度の事例検討分科会並みとします。
○第6分科会「北海道の保健分野で行っている虐待予防(養育支援)の現状~参加者と共に地域支援について考える~」
報告:岩本 泉(北海道保健福祉部子ども未来推進局自立支援グループ)
司会:松原 三智子(札幌医科大学)
児童虐待の未然防止対策として北海道が取り組んでいる母子保健活動と、その経過から得られた課題等について報告し、参加者のみなさまとともに地域における養育支援について考えてみたいと思います。特に、地域で要保護児童ネットワークに関わっておられる方々と共に、現状などを踏まえて一緒に考えられたらと思います。
☆参加人数:おおむね50~60名程度を予定しています。
☆発表内容を聞いて、5~6名のグループでディスカッションします。各々の所属において困っていることや現状なども出し合い、各々の立場でできる子どもの虐待予防を考えていきたいと思います。
<お問い合わせ>
北海道子どもの虐待防止協会 事務局
境 悠紀子 小川 裕佳
TEL&FAX 011-219-4744(留守電対応)
E-mail hocap06@s2.dion.ne.jp

